使い勝手が良いと評判のGemini Notebook(旧NotebookLM)ですが、通常のGeminiとは具体的に何が違うのでしょうか。
Gemini NotebookとGeminiの一番の違いは、回答の根拠です。Gemini Notebookは自分で追加した資料(ソース)をもとに、引用を付けて答えます。Geminiはモデルの知識とウェブ検索で幅広く答え、文章や画像も作ります。
本記事では、両者の違いや使い分け、併用方法まで解説します。
Gemini NotebookとGeminiの違いを比較表で整理
Gemini NotebookとGeminiでは回答に使う情報や得意な作業、資料の扱い方などが異なります。
項目別違い早見表
| 項目 | Gemini Notebook | Gemini |
|---|---|---|
| 位置づけ | 資料を読み解く調査・整理ツール | 汎用のAIアシスタント |
| 回答の根拠 | 追加したソース | モデルの知識、ウェブ検索、添付ファイル |
| 出典の表示 | 回答にソースの該当箇所への引用が付く | 回答内容によって出典や関連リンクが表示される場合がある |
| 得意な作業 | 要約、資料への質問、複数資料の比較、学習用の教材づくり | アイデア出し、文章作成、調べもの、画像生成 |
| 資料から作れるもの | 音声解説、動画解説、スライド、インフォグラフィック、マインドマップ、レポート、フラッシュカード、クイズ | Canvasでの文書作成、画像生成(動画生成は有料プラン) |
| 資料の持ち方 | ノートブックにためて繰り返し使う(無料プランで1ノートブック50ソース) | チャットごとに添付する。ノートブックも使える |
| 料金 | 無料で使い始められる。Google AIプランで上限が上がる | 同左 |
回答の根拠の違い
Gemini Notebookは、ノートブックに追加したソースの内容をもとに回答します。
回答には引用が付くため、根拠となる資料の該当箇所をその場で確認可能です。
公式ヘルプでは、質問の答えがソースに含まれていない場合、回答しないことがあると説明されています。答えの範囲が資料に限られるため、資料の外の話が混ざりにくいツールです。
ただし、資料に基づくからといって誤りがなくなるわけではありません。
資料の読み違いや要約の誤りが起こる可能性はあります。
重要な内容は、引用元の該当箇所まで確認しましょう。
一方、Geminiは資料を追加しなくても利用できます。
モデルが学習した知識に加えて、ウェブ検索を組み合わせ、幅広い情報を扱えるのが特徴です。
ただし、最新情報や重要な内容を扱う場合は、回答だけで判断せず、表示された出典やもと情報も確認しましょう。
得意な作業と作れるもの
Gemini Notebookが得意なのは、手元にある資料を読み解く作業です。
会議の文字起こし、マニュアル、論文などを読み込ませて、要約したり、内容について質問したり、複数の資料を比較したりできます。
資料をもとに、音声解説、動画解説、スライド、インフォグラフィック、マインドマップ、フラッシュカード、クイズなども生成可能です。
Gemini Notebookでできること全般は、以下の記事で紹介しています。
Geminiが得意なのは、ゼロから作る作業と調べる作業です。
文章の下書き、アイデア出し、メールの作成、ウェブを調べてレポートにまとめるDeep Research、画像の生成などに利用できます。
スライドや画像は、どちらのツールからも生成可能ですが、異なるのは生成に利用する情報です。
Gemini Notebookは追加した資料を土台に作成するのに対し、Geminiは入力した指示や会話の内容をもとに作成します。
資料の読み込ませ方と量
Gemini Notebookでは、資料をノートブックに保存し、同じソースを使って繰り返し質問できます。
無料プランでも1つのノートブックにソースを50個まで追加することが可能です。
追加できる形式には、PDF、Word、PowerPoint、Googleドキュメント、Googleスライド、画像、音声、ウェブページのURL、YouTube動画などがあります。
一方、Geminiではチャットごとにファイルを添付して使うのが基本です。
ただし、後述のノートブック機能を使用することで、GeminiからGemini Notebookのソースを使用することができます。
Gemini NotebookとGeminiの料金と無料で使える範囲
Gemini NotebookとGeminiは、どちらも無料で使い始められます。Google AIの有料プランに加入すると、プランに応じて各サービスの利用上限や使える機能が拡張されます。
Gemini Notebookの個人向けプランごとの上限は次のとおりです。(2026年9月時点)
| プラン | ノートブック数 | 1ノートブックのソース数 | 日のチャット回数 | 1日の音声解説 |
|---|---|---|---|---|
| 無料 | 100 | 50 | 50 | 3 |
| Google AI Plus | 200 | 100 | 200 | 6 |
| Google AI Pro | 500 | 300 | 500 | 20 |
| Google AI Ultra(20TB) | 500 | 500 | 2,500 | 100 |
| Google AI Ultra(30TB) | 500 | 600 | 5,000 | 200 |
Geminiは、無料プランでもDeep Research、Canvas、Gems、画像生成を利用可能ですが、有料プランでは利用上限が上がり、動画生成などが加わります。
会社や学校のGoogle Workspaceアカウントで使う場合は、契約しているエディションによって使える範囲と上限が変わります。
月額料金と最新の内容は、Google AIプランの料金ページで確認してください。
出典:Gemini「Geminiをもっと活用しよう」
Gemini NotebookとGeminiに入力した資料は学習に使われるか
入力した資料や会話データの扱いは、利用するアカウントの種類により異なります。
特に個人のGoogleアカウントでは、Gemini NotebookとGeminiで扱いが異なるため利用前に確認しておきましょう。
| アカウント | Gemini Notebook | Gemini |
|---|---|---|
| 個人のGoogleアカウント | フィードバックを送らない限り、基盤モデルのトレーニングに直接使われない | 「アクティビティの保存」がオンなら、人間のレビューを含めてサービスの改善に使われる。オフにしても最大72時間は保持される |
| Google Workspaceアカウント | 人間のレビューもなく、許可なくドメイン外のモデルのトレーニングに使われない | 同左 |
会社の機密情報や社内資料を扱う場合は、勤務先が許可しているGoogle Workspace環境を利用し、社内の生成AI利用ルールにも従ってください。
個人のGoogleアカウントでGeminiを利用する場合は、「アクティビティの保存」の設定によってデータの扱いが変わるため、事前に設定を確認しましょう。
Gemini NotebookとGeminiの使い分け
特定の資料をもとに要約・比較・質問をしたい場合はGemini Notebook、資料に限定せずアイデアを広げたり、文章を作成したり、ウェブを調査したりしたい場合はGeminiが向いています。
Gemini Notebookを使う場面
Gemini Notebookは、参照する資料が決まっている作業に向いています。
たとえば、次のような使い方ができます。
- 社内マニュアルや規程を追加し、内容を質問する
- 会議の文字起こしを要約し、決定事項を抜き出す
- 複数の提案書や論文を読み比べる
- 試験勉強用の資料からクイズやフラッシュカードを作る
また、資料から音声解説を作成できるため、移動中に内容を確認するといった活用も可能です。
Geminiを使う場面
Geminiは、手元に資料がない段階の作業に向いています。
企画のアイデア出しや壁打ち、メールや文章の下書き、言い換え、画像の作成などに活用可能です。
また、市場の動向など、情報を調べるところから始めたい場合にも便利です。
まとまった調査が必要な場合は、Deep Researchを使ってウェブ上の情報を調査し、レポートとして整理できます。
手元の資料を中心に調べるGemini Notebookとは、情報の集め方が異なります。
迷ったときの判断表
どちらを使うか迷う場合は、次の表を参考にしてみてください。
| 問い | はい | いいえ |
|---|---|---|
| 答えの根拠を、手元の資料に限りたいか | Gemini Notebook | 次の問いへ |
| 同じ資料に何度も質問するか | Gemini Notebook(ノートブックにためる) | 次の問いへ |
| 資料がない状態から、考える・書く・調べるか | Gemini | どちらでもよい。まずGeminiで試す |
GeminiのノートブックとGemini Notebookの関係
2026年に入り、Gemini NotebookとGeminiの連携が大きく進みました。
主な変更点
2026年4月にGeminiからノートブックを利用できるようになり、7月には名称が「NotebookLM」から「Gemini Notebook」へ変更されました。
ただし、GeminiとGemini Notebookが1つのサービスに統合されたわけではありません。
Gemini Notebookは引き続き独自のサービスとして提供されており、同じノートブックをGeminiとGemini Notebookの両方から利用できる仕組みになっています。
両方でできること・Gemini Notebookでしかできないこと
同じノートブックを開けても、できることは同じではありません。
| 項目 | Gemini | Gemini Notebook |
|---|---|---|
| ノートブックの表示・編集・チャット | できる | できる |
| ソースの追加、名前の変更、カスタム指示の更新 | できる(もう一方に同期される) | できる(もう一方に同期される) |
| 回答にウェブ検索やGeminiのツールを組み合わせる | できる | ― |
| 音声解説・動画解説・インフォグラフィック・スライドの生成 | できない | できる |
| 共有されたノートブック | 表示されない(自分が所有するものも含む) | 表示される |
音声解説や動画解説、インフォグラフィック、スライドなどの生成機能は、Gemini Notebook側で利用します。
Geminiアプリでノートブックを開いている場合でも、これらのコンテンツを作成するときはGemini Notebookを利用します。
Gemini NotebookとGeminiを併用する流れ
2つのツールは、どちらか一方を選ぶのではなく、作業に応じて組み合わせることもできます。
たとえば、Geminiで情報やアイデアを広げ、必要な資料をGemini Notebookにまとめた内容をを確認し、最後にGeminiで文章を整えるといった活用も可能です。
調べものから始める場合は、Geminiで情報を集め、必要な情報をGoogleドキュメントに保存します。
そのドキュメントをGemini Notebookのソースとして追加すれば、他の資料と合わせて比較・確認できます。
反対に、手元の資料から始める場合は、Gemini Notebookで議事録などを要約して決定事項を整理し、その内容をGeminiでメールやToDoリストに整えるといった流れも可能です。
個人のGoogleアカウントを利用している場合は、Geminiからノートブックを使うことで、同じノートブックを参照しながら作業できます。
Gemini NotebookとGeminiは目的に応じて使い分ける
Gemini NotebookとGeminiの大きな違いは、回答の根拠です。
Gemini Notebookは追加した資料をもとに引用付きで回答し、Geminiは幅広い知識とウェブ検索で回答します。
手元の資料を読み解くならGemini Notebook、資料のない段階で考える・作る・調べるならGeminiがおすすめです。
まずは同じ資料を使って両方で質問してみると、それぞれの回答方法や使い勝手の違いを把握しやすくなります。
この記事の監修者
小杉 啓太
監修株式会社みずかげ製作所 代表取締役
慶應義塾大学理工学部にてCNNによる画像分類を研究。エンジニアリング視点を持ったWebマーケターとして、SEO戦略立案から1,000本以上の記事校閲・編集まで幅広く経験。 ClaudeやCodexによる高度なWeb開発や、n8n・Google Workspace Studioを活用した最新の業務自動化ノウハウを武器に、IT・マーケティング分野の専門的で信頼性の高いコンテンツ監修を手掛ける。