Anthropicは2026年9月28日(現地時間)、Claude Sonnet 5.5を公開しました。料金はSonnet 5と同じまま、Anthropicのテストによると出力は30%以上速くなり、作業あたりの費用は最大30%下がるとされています。
この記事ではClaude Sonnet 5.5の概要から性能や料金などを解説します。
Claude Sonnet 5.5とは|発表内容と使える場所
Claude Sonnet 5.5は、9月22日に公開されたClaude Opus 5.5に続く、Claude 5.5ファミリーの2番目のモデルです。Anthropicは、慎重な判断が必要な複雑な作業を担うOpus 5.5に対し、Sonnet 5.5を速くて安く使える補完役と位置づけています。
使える場所は次のとおりです。
| 入口 | 内容 |
|---|---|
| Claudeのアプリ(claude.ai) | 無料・有料プランどちらでも利用可能 |
| Claude Code | v2.1.284以降 |
| Claude API | モデルID claude-sonnet-5-5 |
| クラウド | Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry、Claude Platform on AWS |
仕様面では、一度に扱える量(コンテキストウィンドウ)が100万トークン、学習データの時点が2026年6月までとなっています。Sonnet 5の学習データは2026年1月までだったため、半年ほど新しい情報を持っていることになります。
前のモデルのSonnet 5は、APIでは引き続き使えます。提供の終了は2027年6月30日より前には行わないとされているため、急いで切り替える必要はありません。
Sonnet 5からの変更点|速度・コスト・性能
Sonnet 5.5は、料金を据え置いたまま、速度と性能が上がりました。Anthropicが公表した主な評価の結果は次のとおりです。
| 評価 | Sonnet 5 | Sonnet 5.5 | Opus 5.5 | GPT-6 Sol |
|---|---|---|---|---|
| Terminal-Bench 4.0(ターミナルでのコーディング作業) | 10.3% | 70.6% | 66.4%※1 | ― |
| GDPval-AA v2.1(知識労働) | 1449 | 1844 | 1846 | 1487 |
| OSWorld 2.1(PCの操作) | 57.0% | 80.1% | 81.8% | ― |
| FrontierCode 1.1(コーディング) | 42.4% | 46.2%※2 | 54.4% | 49.3% |
| Humanity’s Last Exam(ツールあり) | 54.9% | 64.5% | 67.7% | ― |
※1 Opus 5.5はエフォート(考える深さの設定)をXhighにしたときの値 ※2 エフォートをMaxにしたときの値。Anthropicは、MaxではXhighより点数が低くなったと説明している
いずれもAnthropicが公表した値です。Sonnet 5からの伸びが大きいのはターミナルでのコーディング作業とPCの操作で、知識労働の評価ではOpus 5.5とほぼ並びました。一方、FrontierCodeでは、Opus 5.5やOpenAIのGPT-6 Solに及んでいません。Anthropicは、範囲の明確な日常の作業、バグの修正、文書・スライド・表計算の資料作りを、Sonnet 5.5の得意分野に挙げています。
安全面では、サイバーセキュリティに関する依頼のうち危険度の高いものは、Sonnet 5に切り替わって処理されるようになりました。この仕組みがSonnetのモデルに入るのは初めてです。
「最大30%安い」は単価の値下げではない
料金の数字は、単価の話と作業あたりの費用の話を分けて読む必要があります。
API単価は、100万トークンあたり入力2ドル、出力10ドルで、Sonnet 5と同じです。キャッシュ読み取り(0.20ドル)やバッチ処理の50%割引も変わっていません。
下がったのは、同じ作業をこなすのに使うトークンの量です。Anthropicは、自社のテストで作業あたりの費用がSonnet 5より最大30%少なかったとしています。そのため、実際にどれだけ安くなるかは作業の内容によって変わり、すべての使い方で3割安くなるわけではありません。
Opus 5.5とどちらを使うか
Anthropicの説明では、範囲が決まった日常の作業はSonnet 5.5、判断が必要な複雑な作業はOpus 5.5とされています。
| Sonnet 5.5 | Opus 5.5 | |
|---|---|---|
| Anthropicの説明 | 範囲の明確な日常作業、バグの修正、文書・スライド・表計算の作成 | 慎重な判断が必要な複雑な作業 |
| API単価(入力/出力、100万トークンあたり) | 2ドル/10ドル | 4ドル/20ドル |
| 速さ(公式の相対表記) | Fast | Moderate |
| APIの既定のエフォート | high | medium |
知識労働の評価ではほぼ同じスコアで、単価はSonnet 5.5が半分です。まずSonnet 5.5で試し、結果が足りない作業だけをOpus 5.5に回す使い方が、費用を抑えやすいでしょう。
Opus 5.5の詳細は「Claude Opus 5.5とは?Opus 5との違いと料金、同じ依頼で比べた結果」で紹介しています。
APIとClaude Codeで切り替えるときの注意
APIやClaude Codeでは、モデル名を変えるだけでは済まない点があります。
まず、エフォートの設定はそのまま引き継がない方がおすすめです。Sonnet 5.5ではエフォートの各レベルが調整し直されており、同じ値でもSonnet 5とは考える量が違います。公式でも、設定を引き継がずに比較し直すことを推奨しています。
Claude Codeで使う
Claude CodeでSonnet 5.5を使うには、v2.1.284以降が必要です。古い場合は claude update で更新し、/model でSonnet 5.5を選びます。Claude Codeの既定のモデルはOpus 5.5のままです。
別名の sonnet で指定している場合は、使っている提供元を確認しましょう。sonnet が指すモデルは、提供元によって異なります。
| 提供元 | sonnet が指すモデル |
|---|---|
| Anthropic API | Sonnet 5.5 |
| Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry | Sonnet 4.5 |
| Claude Platform on AWS | Sonnet 4.6 |
確実にSonnet 5.5を使うなら、別名ではなくモデルID(claude-sonnet-5-5)で指定します。なお、Claude CodeでのSonnet 5.5の既定のエフォートはmediumです。
APIで移行する
APIでは、Sonnet 5で動いていたコードに影響する変更があります。
| 変更 | 影響 |
|---|---|
| 思考をオフにする指定が disabled から between_tools に変わった | disabled を送ると400エラー |
| 強制ツール使用に対応しない | tool_choice の any・tool が400エラー |
| 思考ブロックがモデルと会話に紐付く | 履歴を編集して送り直すと400エラーになる場合がある |
| computer_20251124 に対応しない(Claude APIとGoogle Cloud) | 新しいツールセットへの移行が必要 |
| 一部のadvisorツールの組み合わせに対応しない | Opus 4.8・4.7・Sonnet 5をアドバイザーにすると400エラー |
| ツール呼び出しのあいだのテキストが思考ブロックで返る | エラーにはならないが、途中経過の表示が消える |
最後の1つは、エラーにならないため気付きにくい変更です。ツールを呼び出しながら途中経過を画面に表示しているアプリでは、表示の設定を見直しましょう。移行の具体的な手順は、Anthropicの移行ガイド「Claude Sonnet 5.5への移行」にまとまっています。
まとめ:Sonnet 5.5は同じ料金で速く、日常の作業から試す
Claude Sonnet 5.5は、料金をSonnet 5と同じに保ったまま、出力が30%以上速くなり、作業あたりの費用は最大30%下がったモデルです。知識労働の評価ではOpus 5.5とほぼ並び、API単価は半分です。
範囲が決まった日常の作業はSonnet 5.5から試し、判断が必要な作業はOpus 5.5に回すのが基本的な使い分けになります。APIやClaude Codeで切り替えるときは、エフォートの設定を比べ直し、Claude Codeならバージョンと別名の行き先、APIなら破壊的変更を確認しましょう。