Claude Haiku 5.5が発表されたものの、Sonnet 5.5やOpus 5.5とどう使い分ければよいのか迷っている人も多いのではないでしょうか。Claude Haiku 5.5は、Claude 5.5世代で最も小さく速いモデルで、問い合わせの分類や短い要約のような決まった仕事を大量にこなすのに向いています。
この記事では、Claude Haiku 5.5の特徴や性能、料金、使い分け、使い方を解説します。
Claude Haiku 5.5とは?
Claude Haiku 5.5は、Anthropicが2026年10月7日に発表したAIモデルです。ここでは、どのような位置づけのモデルなのかと、どこで使えるのかを説明します。
Claude 5.5世代で最も小さく速いモデル
Claude Haiku 5.5は、Claude Opus 5.5、Claude Sonnet 5.5と同じClaude 5.5世代のうち、最も小さいモデルです。Anthropicは、分類や情報の抽出、依頼の振り分けのように、件数が多く速さが求められる仕事向けのモデルと説明しています。
小さいモデルといっても、一度に読み込める量はSonnet 5.5やOpus 5.5と変わりません。主な仕様は次のとおりです。
| 項目 | Claude Haiku 5.5 |
|---|---|
| 一度に読み込める量(コンテキスト) | 100万トークン |
| 一度に出力できる量 | 最大12万8千トークン |
| 応答の速さ | 現行のClaudeで最速 |
| 知識 | 2026年6月までの情報 |
トークンは、AIが文章を処理するときの単位です。100万トークンあれば、長い契約書や議事録を何本もまとめて読み込ませられます。
Claude Haiku 5.5を使えるプランとサービス
Claude Haiku 5.5は、claude.aiのすべてのプランで選べます。無料プランでも使えるため、まず試してみるのに費用はかかりません。使える場所ごとの対象は次のとおりです。
| 使う場所 | 対象 |
|---|---|
| claude.ai(Web版、iOS・Androidアプリ) | Free、Pro、Max、Team、Enterprise |
| Claude Code | バージョン2.1.293以降 |
| Claude API | 従量課金 |
| Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry、Claude Platform on AWS | 各サービスの従量課金 |
出典:Anthropic「Claude Haiku」
Claude Haiku 5.5に向いている仕事
Claude Haiku 5.5に向いているのは、答えや手順がある程度決まっていて、件数が多い仕事です。Anthropicが挙げる用途を、業務の例に置き換えると次のようになります。
| 向いている仕事 | 業務の例 |
|---|---|
| 大量の文章の分類・抽出・要約 | 問い合わせの振り分け、アンケートの自由回答の分類、請求書から金額や日付を抜き出す |
| すぐに返事が必要なやり取り | 社内ヘルプデスクのチャット、音声での応答 |
| 上位モデルの下請け(サブエージェント) | Opus 5.5が立てた計画のうち、資料探しや小さな修正を手分けして進める |
| ブラウザやPCの定型操作 | フォームへの入力、アプリ間でのデータの転記 |
| 範囲の決まった小さなコード修正 | 多くのファイルにまたがる同じ書き換え |
1件ずつの処理は軽くても、件数が増えると速さと費用の差は大きくなります。毎日数百件の問い合わせを分類する、上位モデルの作業を何本も並行して手伝わせる、といった使い方に向いています。
ただし、ブラウザやPCの定型操作は、APIのコンピューター操作ツールなどを使って、社内のシステムに組み込む形で使う機能です。
反対に、長時間かかる複雑な作業や、判断を伴う仕事はSonnet 5.5やOpus 5.5のほうが向いています。
出典:Anthropic「Claude Haiku」
Claude Haiku 5.5の性能
Claude Haiku 5.5は、前のHaikuであるHaiku 4.5から性能が大きく伸びました。ここでは、公表された評価の結果と、考える量を変えて性能と速さを調整する仕組みを説明します。
Haiku 4.5から大きく伸びたベンチマーク
Anthropicが公表した主な評価の結果を、Haiku 4.5とSonnet 5.5と比べると次のとおりです。
| 評価 | 何を測るか | Haiku 5.5 | Haiku 4.5 | Sonnet 5.5 |
|---|---|---|---|---|
| GDPval-AA v2.1 | さまざまな職種の実務の成果物(スコア) | 1620 | 735 | 1840 |
| OSWorld 2.1(オフライン) | PCの操作 | 72.4% | 15.7% | 83.9% |
| Humanity’s Last Exam(ツールあり) | 専門的な難問 | 57.4% | 18.7% | 64.5% |
| Terminal-Bench 4.0 | コマンド操作を伴う開発 | 39.2% | 0.0% | 70.6% |
Haiku 4.5と比べると、どの評価でも大きく伸びています。特にPCの操作(OSWorld 2.1)は15.7%から72.4%に上がりました。
一方、開発作業の評価(Terminal-Bench 4.0)では、Sonnet 5.5の約半分にとどまります。Anthropicも、複雑なコーディングにはSonnet 5.5やOpus 5.5を勧めています。
なお、数値はいずれもAnthropicが公表したもので、自分の仕事で同じ差が出るとは限りません。
エフォートで考える量を調整できる
Claude Haiku 5.5では、Haikuとして初めて、答えを出す前に考える量(エフォート)を5段階で調整できるようになりました。claude.aiでは「低」「中」「高」「超高」「最大」から選び、初期設定は「おすすめ」と表示される「中」です。APIでは low、medium、high、xhigh、max の5段階で、初期設定は中(medium)です。
エフォートを上げるほど回答は徹底的になりますが、時間がかかり、claude.aiでは利用上限を速く消費します。下げると速く答えが返り、APIでは費用も下がります。
問い合わせの分類のような単純な仕事は低めのエフォートで試し、精度が足りなければ上げる、という使い方がよいでしょう。なお、Claude Codeでは考える処理そのものをオフにすることはできません。APIでは、エフォートが「high」以下であれば、考える処理をオフにする設定も使えます。
出典:Anthropic「Introducing Claude Haiku 5.5」、Claude Docs「Models overview」
Claude Haiku 5.5の料金
Claude Haiku 5.5の料金は、claude.aiで使うか、APIで使うかによって仕組みが異なります。claude.aiは月額プランの範囲で使え、APIは使った量に応じた従量課金です。
claude.aiでは月額プランの範囲で使える
claude.aiでは、無料プランを含むどのプランでも、追加料金なしでClaude Haiku 5.5を使えます。
また、Claude Haiku 5.5の発表に合わせて、MaxプランとTeamプランの契約者には毎月APIクレジットが付くようになりました。Max 5xは月100ドル分、Max 20xは月200ドル分、Teamは利用者全体で最大月500ドル分です。クレジットはどのモデルにも使えるため、社内ツールにHaiku 5.5を組み込んで試すときの費用に充てられます。
APIの料金は10万トークンを境に2段階
APIの料金は、1回の依頼で送るプロンプトが10万トークン以下か、それを超えるかで変わります。100万トークンあたりの料金は次のとおりです。
| 100万トークンあたり | Haiku 5.5(10万トークン以下) | Haiku 5.5(10万トークン超) | Haiku 4.5 |
|---|---|---|---|
| 入力 | 0.10ドル | 0.50ドル | 1ドル |
| 出力 | 0.50ドル | 2.50ドル | 5ドル |
| キャッシュの読み出し | 0.01ドル | 0.05ドル | 0.10ドル |
10万トークン以下なら、単価はHaiku 4.5の10分の1です。10万トークンを超えると単価は5倍に上がりますが、それでもHaiku 4.5の半額です。
10万トークンを超えるかどうかは、1回の依頼ごとに、キャッシュから読み出した分も含めた入力全体で判定されます。キャッシュを使っても、10万トークンを超える依頼には高いほうの単価がかかります。
たとえば、1件あたり入力2,000トークン、出力300トークンの問い合わせ分類を1万件こなすと、入力が2ドル、出力が1.5ドルで、合計3.5ドルです。なお、急がない処理はBatch APIを使うと半額になります。
「平均約75%安い」の意味
Anthropicは、Haiku 4.5で同じ仕事をした場合と比べて、Claude Haiku 5.5の費用は平均で約75%下がると試算しています。単価は90%下がったのに、費用の削減が75%にとどまる理由は2つあります。
1つ目は、文章をトークンに分ける仕組み(トークナイザー)が新しくなったことです。同じ文章でも、Haiku 4.5より約30%多くのトークンとして数えられます。増え方は文章の内容によって変わります。
2つ目は、10万トークンを超える依頼の単価が、Haiku 4.5の半額にとどまることです。Haiku 4.5で処理されていた依頼の約9割は10万トークン以下だったため、平均すると約75%の削減になります。
APIで使う場合は、ほかにも費用が増える要因があります。考える処理のトークンも出力として課金され、画像も高い解像度で扱うため、2,000×1,500ピクセルの画像ならHaiku 4.5の約2.5倍のトークンになります。Haiku 4.5のトークン数をもとにした見積もりは、Haiku 5.5で数え直しましょう。
出典:Claude Docs「Pricing」
Claude Haiku 5.5とSonnet 5.5・Opus 5.5の使い分け
答えや手順が決まっている大量の仕事はHaiku 5.5、範囲の決まった仕事を速く確実にこなしたいときはSonnet 5.5、長時間かかる複雑な作業はOpus 5.5が向いています。3つのモデルを比べると次のとおりです。
| Haiku 5.5 | Sonnet 5.5 | Opus 5.5 | |
|---|---|---|---|
| APIの単価(入力/出力、100万トークンあたり) | 0.10ドル/0.50ドルから | 2ドル/10ドル | 4ドル/20ドル |
| 応答の速さ | 最速 | 速い | 中程度 |
| 向いている仕事 | 分類・抽出・短い要約、上位モデルの下請け | 速さと性能のバランスが必要な仕事、範囲の決まった仕事 | 長時間かかる複雑な作業、高度なコーディングや知識労働 |
APIで大量の処理を任せる場合、単価の差は大きく効きます。10万トークン以下の依頼なら、Haiku 5.5の単価はSonnet 5.5の20分の1です。分類や抽出のように結果を確かめやすい仕事は、まずHaiku 5.5で試し、精度が足りない部分だけSonnet 5.5に任せると費用を抑えられます。
claude.aiで使う場合は、すぐに答えが欲しい簡単な質問や、文章の要約・整理にHaiku 5.5を選ぶとよいでしょう。判断を伴う相談や長い資料の作成は、Sonnet 5.5やOpus 5.5に切り替えるのがおすすめです。
出典:Claude Docs「Models overview」
Claude Haiku 5.5の使い方
Claude Haiku 5.5は、claude.ai、Claude Code、APIのそれぞれで使えます。使う場所ごとに、選び方と注意点を説明します。
claude.ai(Web版)・アプリで使う
Web版のclaude.aiでは、次の手順でClaude Haiku 5.5を選びます。
- 入力欄の下にあるモデル名をクリックする
- モデルの一覧から「Haiku 5.5」を選ぶ
- 必要に応じて、同じメニューの「エフォート」から考える量を選ぶ
一覧では、Haiku 5.5に「素早い回答に最適」という説明が添えられています。
Claude Codeで使う
Claude CodeでClaude Haiku 5.5を使うには、バージョン2.1.293以降が必要です。古いバージョンを使っている場合は更新しましょう。モデルは /model claude-haiku-5-5 で切り替えられます。
ただし「haiku」だけで指定したときにAmazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry、Claude Platform on AWS経由ではHaiku 4.5で設定されることがあります。これらの環境でHaiku 5.5を使いたいときは、環境変数 ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL に使う環境のモデルIDを指定することが必要です。
APIで使う・Haiku 4.5から切り替える
APIでは、モデルIDに claude-haiku-5-5 を指定します。Amazon Bedrockでは anthropic.claude-haiku-5-5 です。
Haiku 4.5から切り替える場合、モデルIDを書き換えるだけでは動かないことがあります。次の設定を使っていると、エラーになります。
| Haiku 4.5で使っていた設定 | Haiku 5.5での扱い |
|---|---|
| temperature、top_p、top_k | 外す(top_kは指定するとエラー。temperatureは1、top_pは0.99以外でエラー) |
| 応答の書き出しを指定するprefill | 使えない。構造化出力などに置き換える |
| budget_tokensによる思考量の指定 | 使えない。エフォートで調整する |
| 旧バージョンのコンピューター操作ツール | 新しいバージョンに切り替える |
トークンの数え方が変わったため、出力の上限も見直しましょう。考える処理のトークンもこの上限に含まれるため、Haiku 4.5に合わせた小さな値のままだと、回答の前で出力が止まることがあります。
また、Claude Haiku 5.5は、安全対策の仕組みで依頼を拒否することがあります。拒否されたときは stop_reason: “refusal” が返り、別のモデルに自動で切り替わることはありません。拒否されたときの処理を用意しておきましょう。
移行の作業は、Claude Codeで /claude-api migrate を実行すると手伝ってもらえます。
Claude Haiku 5.5に関するよくある質問
Claude Haiku 5.5を使い始めるときに、迷いやすい点をまとめました。
Q1. Haiku 5.5を選ぶとclaude.aiの利用上限に達しにくくなりますか?
Anthropicは、利用上限の減り方は会話の長さや使うモデル、エフォートによって変わると説明しています。ただし、Haiku 5.5を選ぶとどれだけ上限に達しにくくなるかは公表されていません。
はっきりしているのは、エフォートの影響です。claude.aiの画面には、エフォートを上げるほど「制限をより速く消費します」と書かれており、「最大」には「8×以上の使用量」と表示されます。上限が気になる場合は、エフォートを「中」以下にして使いましょう。
Q2. 日本語でもベンチマークどおりの性能が出ますか?
Anthropicが発表で示した評価には、日本語だけの結果は含まれていません。日本語での精度は、自分の業務の文書で試して判断しましょう。APIで使う場合は、日本語の文章のトークン数がどれだけ増えるかも、実際のデータで確かめておくと見積もりがずれません。
Q3. Haiku 4.5はすぐに使えなくなりますか?
Claude APIでは、Haiku 4.5は現在も提供されており、廃止の告知もまだありません。Anthropicは、廃止が決まったモデルについて、少なくとも60日前に利用者へ通知するとしています。Amazon BedrockとGoogle Cloudでは、提供終了の日程を各社が決めます。
まとめ:Claude Haiku 5.5は大量の定型業務向け
Claude Haiku 5.5は、分類や要約のように範囲の決まった仕事を大量にこなすための、Claude 5.5世代で最も小さく速いモデルです。claude.aiでは無料プランから追加料金なしで使え、APIの単価は10万トークン以下ならHaiku 4.5の10分の1です。
判断を伴う仕事や複雑な開発はSonnet 5.5やOpus 5.5に任せ、Haiku 5.5は速さと件数が求められる仕事に使い分けましょう。まずはclaude.aiで、普段の簡単な依頼をHaiku 5.5に切り替えて、回答の速さと質を確かめてみてください。
この記事の監修者
小杉 啓太
監修株式会社みずかげ製作所 代表取締役
慶應義塾大学理工学部にてCNNによる画像分類を研究。エンジニアリング視点を持ったWebマーケターとして、SEO戦略立案から1,000本以上の記事校閲・編集まで幅広く経験。 ClaudeやCodexによる高度なWeb開発や、n8n・Google Workspace Studioを活用した最新の業務自動化ノウハウを武器に、IT・マーケティング分野の専門的で信頼性の高いコンテンツ監修を手掛ける。